水道修理などの緊急サービスではリスティング広告の順位は何位がベストか?

リスティング広告の実践
この記事を書いた人
石黒 文康

約15年間リスティング広告を中心にネット集客に携わる。中小企業診断士の資格を所持。シンガポールや台北で過ごした経験も。名古屋出身で、今も名古屋在住。ほぼ毎朝、自宅近くの川沿いでスロージョギングしてます。

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前提条件

この記事の書くにあたり、リスティング広告運用の前提条件として以下の2つの条件を挙げておきます。

  • クリック数の最大化を入札戦略として使用
  • 水道修理や不用品回収など地域の緊急サービス向けの検索連動型広告運用

クリック数の最大化

地域の緊急サービス向けのリスティング広告自動入札では、以下の2つの理由からクリック数の最大化を入札戦略を主に使用しています。

  • 地域別の単価調整や、時間帯別の単価調整が必要になる場合があること(目標コンバージョン単価制は地域別・時間帯別の単価調整ができない)。
  • クリック数の最大化は目標コンバージョン単価と比べて季節変動に影響を受けにくいと考えられること。

クリック数の最大化戦略では「上限クリック単価」を設定して変化させることで、検索広告の順位をある程度コントロールすることができます。

水道修理など緊急サービス

この記事では、水道修理・不用品回収・遺品整理・鍵トラブル・害虫駆除など、特に地域緊急サービス向けのリスティング(検索連動型)広告運用での、最適な順位について書いています。

1位を取れるなら1位がベスト

まず結論から言うと、水道修理をはじめとする地域の緊急サービスでは特に、できる限り1位を狙っていくのがベストです。

1位表示はクリック率とコンバージョン率が上がる

1位表示の例

これは緊急サービスに限らない話でもありますが、緊急サービスの場合は特に見込み客が急いでいるので、一番上に出てきた広告のクリック率が必然的に上がります。

さらに、一番上に表示されていると、コンバージョン率も基本的に上がります。見込み客が急いでいる中、一番先に目に入った広告というのは信頼されやすいからです。

また、上限クリック単価を上げることで、コンバージョン率の高い(クリック単価が高騰しがちな人気の)キーワードで上位を取ることができるようになります。これもコンバージョン率が上がる要因と考えられます。

とはいえ、もちろん一番上に表示するということは、上限クリック単価を上げていくか、クリック率の高い広告文を考案して広告ランクを上げていくなどの施策が必要になります。

しかし、上限単価を上げ続けてコンバージョン単価が上がってしまうと広告の費用対効果が合わなくなってきます。

ですから1位表示を目指すためには、高いクリック単価だけではなく、同時に成約率の高いランディングページ、そしてクリック率の高い広告文が必要になります。

また、LPや広告文を洗練させるだけではなく、キーワードを厳選したり、戦略的に地域を絞って、限られたキーワードや地域で自社の強みを発揮し、その市場でTOPを目指して戦う方針でやっていくべきです。

 

基本的に1位表示はクリック単価が上がりますが、それ以上にクリック数やコンバージョン率が上がりやすいというメリットがあります。

その結果、コンバージョン単価を維持しつつコンバージョン数が増えるので、自社が勝てる限定された市場で1位表示を狙っていくことが正攻法となります。

1位表示の目安とは?

GoogleやYahoo!の検索広告では、検索広告が1位表示されているかどうかの目安となる指標があります。

ページ最上部インプレッションの割合ページ上部インプレッションの割合という2つの指標を見ていきます。

ページ最上部とページ上部インプレッションの割合の例

1位表示の目安としては、ページ最上部インプレッションの割合が30~60%、ページ上部インプレッションの割合が70~90%程度を狙っていくと良いでしょう。

ページ最上部インプレッションの割合を高くすればするほどクリック率やコンバージョン率が上がっていくはずなので、費用対効果が合う限りは上限単価を少しずつ上げていっても大丈夫です。

その方が、コンバージョン単価をほぼキープしつつ、より多くのコンバージョンを獲得できるようになるからです。

上限クリック単価を上げ続けてもなおコンバージョン単価が十分低い場合は、周辺キーワードを追加していくのも、コンバージョン数を増やすのに有効です。

1位表示の確認方法について

あるキーワードで自社の広告が1位に表示されているかどうかを確認する方法として、ご自身のスマホやPCで検索結果を見るのは正確とは言えません。各デバイスの個別の閲覧履歴や位置情報などが反映されてしまうからです。

上位に表示されているかどうかは、前述の2つのインプレッションシェアを確認するか、実際の表示を確認したい場合はGoogleとYahoo!の公式の広告プレビューツールを使うようにしましょう。

Google広告の広告プレビューツール

攻め方によっては下位を狙う方がいい場合も

1位表示はコンバージョン率が上がる場合が多いのでおすすめではありますが、逆にあえて下位の表示を狙っていくほうがいい場合もあります。

クリック単価を下げて下位表示で広範囲に狙う

下位表示はクリック単価が1位表示の半分以下になることが多く、コンバージョン率が下がってもコンバージョン単価をキープできるからです。

例えば以下のような場合に有効です。

  • 運用を始めたばかりで、どの地域がいいのか、どのキーワードがいいのか全くデータがない場合。
  • 大都市や、広範囲の都道府県にまたがって広告を出す場合など、ターゲット地域の総人口が多く、表示回数も十分に見込める場合。

1位表示を狙うためには戦略や仮説が必要です。

しかし、その戦略や仮説の元になるデータが全く無い場合、まずはデータを集める必要があるかもしれません。

そのような場合は、広い地域をターゲット設定し、多くのキーワードを登録し、低いクリック単価で下位表示をあえて狙っていくことで、使えるデータが少しずつ貯まっていきます。

その後、地域ごと、キーワードごとのコンバージョン率などを見て、狙うべき市場が見えてきたらそこに集中することを決めます。

そして、その狙った市場にLPや広告文を最適化しつつ、1位表示を狙って上限クリック単価を一気に上げていきます。

下位表示はコンバージョン率が下がる

ただし、下位表示は1位表示と比べてコンバージョン率が大きく下がる場合もあります。

下位表示の場合は、検索結果を一通り見た人が広告をクリックしてくるからです。

それらの人たちは、緊急サービスの見込み客として理想的な今すぐ何とかしなければいけない人ではなく、情報収集中でそれほど切羽詰まっていない余裕のある人が多いからです。

この点で、特に緊急サービスの場合、下位表示は1位表示よりもコンバージョン率の面で不利になることは明白です。

下位表示はあくまで1位表示の準備段階の一手として使うことをおすすめします。

中途半端な順位が最も効率が悪くなる

3~5位をうろうろしているような、中途半端な上限クリック単価調整が、最も広告の費用対効果が悪くなる場合があるので注意が必要です。

特に水道修理や不用品回収のような緊急サービスでは1位と比べてコンバージョン率が大幅に下がるうえに、クリック単価もそれほど安くないので、コンバージョン単価が高くなりがちです。

運用開始は低めの順位をあえて狙っている場合、そこから中途半端に上限単価を上げると、なかなかコンバージョン率やコンバージョン単価が改善されず、コンバージョン単価が上がったり、無駄なクリックが増えて痛い目を見ることもあります。

また、下位表示から上限単価を上げるときには、ただ単に上限クリック単価を大幅に上げるだけだとリスクが高くなるので、テスト的に一部の地域だけに絞ったり、キーワードを厳選してそれ以外はOFFにして、その後に思い切って上限単価を上げてみるというのが良い方法です。

その際には、絞った地域やキーワード向けに、LPや広告文を最適化するなどの工夫も必要です。

まとめ

それではまとめに入ります。

緊急サービスでは特に1位表示を狙うのが正解

緊急サービスの場合は特に、1位表示を狙っていく必要があります。

急いで問題を解決しなければならない人たちにとって、1番目に表示された広告というのはそれだけで信頼度が増します。

またキーワードごとに、コンバージョン率が高くなるキーワードと、そうでないキーワードというのがあります。

1位表示を狙って上限クリック単価を上げていくと、このコンバージョン率が高くなる人気のキーワードでクリックされる数も多くなり、コンバージョン数が増えるという好循環も起こります。

下位表示はありだが中途半端な位置は逆効果

1位を狙うといっても、限られた広告予算の中で、可能性のあるキーワード全てで1位を狙うのは現実的ではありません。

なにもデータがない場合は、あえて下位表示を狙っていくという方法もあります。

そこで、データが集まって、どの地域やキーワードなら勝てる可能性が高いかというのが分かってから、一気にその市場で1位を狙っていくという順序で進めるのも良い方法です。

ただ、その際に中途半端な位置に広告が表示されてしまうと、単にクリック単価が上がっただけでコンバージョン率は上がらないという無駄撃ちになってしまうので中が必要です。

上限クリック単価を上げる前には、勝てる見込みの高い戦略を立てる必要があります。

1位を狙うのに必要なのは戦略

1位を狙うのに必要なのは、リスティング広告の知識やスキルではなく、経営判断としての地域やキーワードを絞る戦略です。

どの市場(地域、キーワード、時間帯など)で1位を取れば、自社の強みを最も活かせるのかをよく考え、データも活用しながら、良い仮説や戦略的なアイデアを出すのが先です。

その上で、その仮説や戦略に沿ったLPや広告文を作って、1位表示をしたときのクリック率とコンバージョン率がさらに上がるようにしていくことが、緊急サービスで1位表示を狙う際のセオリーです。

単に上限クリック単価を上げるだけの1位表示では無駄に予算を消化してしまうことになりがちなので注意してください。

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