遺品整理業のリスティング広告事例 広告文と検索ニーズ分析

検索結果とリスティング広告の事例
この記事を書いた人
石黒 文康

約15年間リスティング広告を中心にネット集客に携わる。中小企業診断士の資格を所持。シンガポールや台北で過ごした経験も。名古屋出身で、今も名古屋在住。ほぼ毎朝、自宅近くの川沿いでスロージョギングしてます。

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この記事では、特に信頼性がカギとなる地域サービスでリスティングを出す場合、どのような広告文が適切なのか?という疑問に答えます。

今回は、人生でお世話になることは比較的少ないが、特に緊急性ニーズの高い「遺品整理 東京」という検索キーワードの検索結果を具体例として学びます。

Googleでの検索結果の1ページ目を上から順に見ていきます。

主に以下のような項目について具体的に学べる内容となっています。

  • 緊急性ニーズに向く電話専用広告とは?
  • 興味本位のクリックを増やすのはミスマッチが怖い
  • 専門資格を広告文でも具体的にアピールすると信頼性が増す
  • マップ(Googleマイビジネス)にはレビューがないともったいない
  • 自然検索結果を見るとそのキーワードの検索者ニーズが想像できる
  • 価格の表現のコツと注意点

この記事は、約15年間リスティング広告を専門としてネット集客に携わり、中小企業診断士の資格を持つ石黒 文康がお届けします。

リスティング広告事例、電話専用広告ほか

それでは一番上の広告から見ていきたいと思います。

緊急性ニーズに向く電話専用広告

まず青色で左上に電話の大きなマークがあって、その横に電話番号が書いてあります。

この広告をクリックするとすぐにスマホから電話ができます。

電話専用広告と呼ばれるものです。

またこのキーワードで電話が発信されたというコンバージョンとして記録に残ります。

ここのタイトルのところは電話番号と会社名だけになっていますが、2019年に入ってこの部分にテキストを追加できるようになりました。

この広告はまだそのアップデートに対応できていないようです。

例えば「遺品整理の専門家が24h電話対応」と言ったメッセージを、このタイトル部分に加えると、より電話からのクリック率やコンバージョン率が高まると考えられます。

この業者さんのように、遺品整理の専門家が24時間電話で対応してくれるというのは、夜遅くに電話するような場合には大きな強みですね。

次の2番めの広告を見ていきます。

こちらも「24時間受付中」とあります。

こちらも電話専用広告を試してみて、通常の広告と費用対効果を比べてみても良いと思います。

遺品整理は特に緊急性の高いサービスなので、広告からすぐに電話ができるかどうかも一つのサービス向上策になります。

ただし、電話の対応勝負となりますので、その人員と体制を用意するのが企業によっては大変かもしれません。

興味本位のクリックは少しリスクあり

次の3つ目と4つ目の広告文を見ていきます。

まず3つ目の広告文ですが、これは有名なテレビ番組で特集されたとあります。

この表現だけではこちらの業者さんがテレビに取材されたかどうかはわかりませんが、いずれにしてもインパクトのある広告文なので、クリック率は高まるでしょう。

しかし、他の説明文のところが短すぎることもあり、実際にクリックした後にコンバージョン率がどうなるかというのは少し心配になります。

興味本位でクリックした人のニーズと、サービス提供内容のニーズのミスマッチが起こる可能性が高くなるからです。

4つ目の広告文は、「経験豊富な遺品整理士が心を込めて対応」とあります。遺品整理士という専門資格をアピールすることで信頼感を出しています。

3つ目のトリッキーな広告と比べるとこちらはセオリー取りのよく考えられた良い広告ではないかと個人的には感じます。

説明文最後のところに「お電話一本で即日対応!」と緊急性ニーズに訴える文言がありますので、こちらもスマホ向けの広告として電話専用広告を一度使ってみるのもありだと思います。

マップでレビューなしはもったいない

上の4つの広告文の下には、次のようにマップが表示されました。

遺品整理も基本的に地域サービスになりますので、Googleの検索結果もこのようにマップが上位に表示されます。

「遺品整理プログレス東京」という業者さんのところは、せっかくトップに表示されているのにレビューがないので、もったいない感じがします。

さらに下の自然検索をみていくとわかりますが、信頼感がこのキーワードでは重要になるからです。

このマップの星印のランクと数でも信頼感を出すことができます。

このケースでは、3つ目の「親切安心・遺品整理東京・大和堂」は、タイトルに親切安心という文言や、東京という地名も加えて工夫されています。

レビューも多くついているので、こういった状態でローカル検索広告を使うとさらに効果的です。

自然検索の結果からわかること=信頼性が求められている

次に自然検索の結果をざっと見ていきたいと思います。

目立つキーワードとしては以下のようなものがあげられます

  • 1K35000円から
  • 365日対応
  • 遺品整理士
  • 協会認定
  • 審査
  • 相場
  • 口コミ
  • くらしのマーケット
  • 評判
  • おすすめランキング
  • 生前整理
  • 合同供養
  • 人気ランキング
  • 東京などの地名

これらの自然検索結果に出てくるキーワードを見ていくだけでも、検索ユーザーがどのようなニーズを持っているかというのをある程度想像することができます。

まずは値段、そしていつでも毎日休みなく対応と言ったニーズがありそうです。

また、口コミ・評判・おすすめ・人気といったワードが目立ちます。

そして、遺品整理士という資格や協会の認定、審査といったキーワードが並んでいます。

このような結果から考えると、検索ユーザーが、いい加減な業者ではなくてちゃんとした業者を見つけたいと言う強いニーズを持っていることが分かります

Googleは、キーワードごとに検索ユーザーのニーズに対応したコンテンツを上位に表示させる仕組みになっているからです。

自社サイトでリスティング広告を使って集客する場合は、信頼性を出すために、サイトに口コミを充実させる、協会の認定があればそれを目につく所に表示するといった施策が考えられます。

価格の表現について

さて次は検索結果の下の方に表示される三つの広告を見ていきたいと思います。

まず一つ目の広告文には、下に価格が表示されています 。

これは価格表示オプションというのを設定になります。広告が表示されただけでは表示されませんが、カルーセルという下向きの矢印をクリックするとこのように価格が展開されます。

ちなみにこの価格表示オプションを展開させただけでは料金はかかりません。

この広告文については格安一部屋たったの7万円台ということですが、他の広告に35,000円とか 28,000円とか書いてあるので、他の比較で考えると特に安いという説得力がありません。

この広告を作った人は他の広告をチェックしていないのかもしれません。数字を使って具体的に訴求する際には、他の広告も見ておく必要がありますね。

次の広告ですが「業界最安値の基本料金28,000円~」とあります。

ここまで見てきて28,000円という価格は確かに最安値になっています(基本料金というところが気になりますが)。

そして、この業者さんは遺品整理の後の、不動産関連の大きなビジネスにつなげていることが広告文からも分かります 。

遺品整理の価格はかなり抑えて、遺品整理をフロントエンドの集客商材とし、空き地の整備、不動産の売却といった大きなビジネスにつなげているようです。

こちらの広告は、価格、サービスの早さの訴求には少し抽象的な表現を使っていますが、遺品整理士有資格者というのは具体的でいいと感じます。

また、具体性はありませんが、「他社より高い場合は値引き可」という書き方もありですね。

価格について具体的に書くと広告文上では勝負になりそうもない場合は、このような他社より安くするといった表現が使えますね。

関連キーワードからもわかる検索者のニーズ

最後に関連キーワードを見ていきたいと思います。

関連キーワードの最初に来るのは

  • ランキング
  • おすすめ

最後の二つも

  • 口コミ ランキング
  • 優良業者

ということで、やはり信頼性のある業者を皆さん探そうとしていることがよくわかります。

また「相場、格安」というワードを見ると、値段も一つの重要なポイントとなることがわかります。

遺品整理というのは突然起こることで、なおかつ一生に1度か2度しかないようなお困りごとです。

検索者は、限られた時間の中で信頼性の高い業者を見つける必要があります。

マップについても、Googleマイビジネスで五つ星の口コミを多く獲得することが信頼感の醸成に繋がります。

自然検索の結果で見たように、ランキングや口コミサイトに上位掲載して信頼性を獲得するのもありますし、電話専用広告を使って専門家がしっかりと電話で説明するというのも信頼性を獲得する一つの手になります。

リスティング広告と自社サイトで集客する場合はこれらの状況を踏まえて、検索者にいかに信頼してもらえるかを念頭に特徴のあるコンテンツを加えていくと良いですね。

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