この記事では、リスティング広告をこれから始めたいけどそのやり方や、重要ポイントがわからないと言う疑問に答えます。
具体的にはリスティングのやり方について以下の4つの重要なポイントを学ぶことができます。
- リスティング広告で最も重要なキーワード選びのやり方とコツ
- 検索結果が大きなヒントになる広告文作成のやり方と具体的なテクニック
- AIを生かすにも外せないコンバージョンタグの最も簡単な設定方法
- 運用開始後の費用対効果アップに必須となる除外キーワードの見つけ方
この記事は、約15年間リスティング広告を専門としてネット集客に携わり、中小企業診断士の資格を持つ石黒 文康がお届けします。
リスティング広告のやり方はこの4つの考え方を外さなければOK
リスティング広告は大きく分けて、検索結果に出る検索連動型広告と、WEBサイトやアプリに表示されるディスプレイ広告の2つがありますが、今回はより成果の出やすいメインの仕組みである検索連動型広告について、そのやり方と4つの重要ポイントについて解説します。
リスティング広告の設定方法の流れと4つ重要ポイント
- まず集客したいウェブサイトやアプリに関連するキーワードを選ぶ。
- 選んだキーワードをグループ化し、それぞれに対する広告文を考える。
- コンバージョンタグを設定して広告の成果を計測し、広告運用の改善に結びける。
- 運用開始後は、除外キーワードの設定を継続して無駄を省いていく。
もちろんこれだけではありませんが、基本的な流れと重要なポイントはこの4つだけです。
それでは、の4つの重要ポイントそれぞれについて詳しく説明していきます。
キーワード選びのやり方とコツ
キーワード選びと言うのはリスティング広告の中で最も重要な作業となります。
何故かと言うと、キーワードと言うのは検索する人のニーズが、キーワードごとに特徴的に現れているからです。
キーワードには千差万別の様々な組み合わせがありますが、キーワードの組み合わせによってそれぞれ、検索する人がどんな人か、そしてその人がどんなニーズや不安を持っているかっていうのが異なってきます。
キーワードツールだけでは本当に使えるキーワードは見つからない
キーワードツールとして代表的なものには、Google広告の「キーワードプランナー」、Google広告のウェブサイトから自動的におすすめキーワードを提案してくれる機能、「関連キーワード取得ツール」、キーワードの掛け合わせツール といったものがあります。
これらのツールを使えば、自社のビジネスやWEBサイトに関連するキーワードを発見してくれますが、出てきたキーワードをそのまま使うのではなく、キーワードそれぞれについて一つずつ、どんなニーズや不安があるのかを想像していくことが必要です。
また、ニーズが一致していても、行動に結びつきやすいキーワードとそうでないキーワードもあります。
リスティング広告や、SEOの経験を何年も積んでいると、キーワードを見ただけである程度キーワードごとにどんなニーズや不安があるのかと言うのを想像できますが、最初はキーワードごとにすべての検索結果を見ていって、どんな検索結果があるのかを見るのが確実です。
私も判断に迷う場合は、実際にキーワードで検索してみてどんなニーズや不安があるのかと言うのを確かめますし、今もいろいろなキーワードの検索結果を見て日々勉強を重ねています。
変幻自在の組み合わせキーワードを1つずつ見ていく
例えば、関連キーワード取得ツールで150個のキーワードの組み合わせが見つかったとします。
その中には、自社のビジネスやウェブサイトに強く関連するものと、あまり関連しないものに分けられるはずです。
まずは、より強く自社のビジネスに関連し、行動に結びつきやすいと思われるキーワードを選んでいきます。
例えば、「弁護士」に関連するキーワードも、組み合わせのキーワードによって“ 弁護士に助けてもらいたい人 ”と、“ 弁護士になりたい人 ”といった具合に明確に検索する人のタイプとニーズが分かれます。
また、“弁護士に助けを求める人” の中にも、例えば労働問題などの場合、“経営者側に付く弁護士を探しているキーワード”と、“労働者側に付く弁護士を探しているキーワード”に分かれます。
検索キーワードにはこのように組み合わせによってターゲットやニーズは変幻自在です。キーワードを1つずつ見て検索者をイメージしたり、そのキーワードで実際に検索結果を1つずつ見ていくといった作業が重要になります。
リスティング広告の広告文を作る際の考え方とやり方
基本的には、上で書いたようなやり方で組み合わせのキーワードを50個から200個ほどに絞って選んだ後に、それらのキーワードをさらに5~10個ずつのグループに分けて広告グループを作ります。
そして広告グループごとに、広告文を考えていきます。
広告文を作るときは、実際に検索結果を見てみるのが一番
広告文を作るときは、実際に検索結果を見てみるのが一番です。これはプロでも同じです。
リスティング広告の広告文は一つ大きな特徴があります。
それは、他のライバル会社が出している広告文や、自然検索の検索結果と比較されるところです。
「リスティング」という呼び名の由来でもあります。
そのため、他の広告文や自然検索のタイトル文などを、広告文を最初に作る際だけではなく、定期的にチェックしていく必要があります。
例えば、「業界最安値29,800円~」という広告文を書いていて、そのときは検索結果で最安値の価格だったとしても、半年後に検索結果を見てみたら他の業者が「19,800円~」と書いていたら、具体的な数字を書くのをやめて「業界最安値保証、他社より高い場合はご相談下さい」といったように書き換えることも必要です。
他社の広告文ではなく自然検索の結果が広告文作成の大きなヒントに
通常、広告文やマップの下に表示される“ 自然検索の結果 ”は、検索者のニーズや不安を最も具体的に表しているので、広告文作成の大きなヒントになります。
Googleなどの検索エンジンは、検索者のニーズに合わせて自然検索の結果を返すからです。一方、リスティング広告は、お金を払って上位表示させるので、検索ニーズにピッタリすべて当てはまるとは限りません。
ですので、広告文を作る際には他社の広告文よりも自然検索の結果を参考にするのが得策です。
具体的には、私が書いたブログの広告文ケーススタディーを見ていただくと、そのやり方を知っていただくことができます。
例えば、数字を使って具体的に書く、検索キーワードをタイトル文含める、地域ビジネスの場合は地名を加える、検索ニーズに応じてコンテンツを作ってサイトリンク表示オプションを加えるといったことが重要になります。
サイトリンク表示オプションで検索者のニーズを網羅する
少しレベルが上がりますが、検索者のニーズに応えるという最重要課題と関連しますので、サイトリンク表示オプションについて説明します。
サイトリンク表示オプションというのは以下の赤枠の位置に出てくる広告のオプションです。
例えば、「水漏れ修理」と検索した場合に、「キッチン」や「トイレ」に関する専門的なコンテンツに直接、広告文からリンクさせる機能です。
この例だと、「水漏れ修理」と検索した場合には、「キッチン」や「トイレ」といったキーワードが自然検索の結果によく出てきます。このように、自然検索結果によく出てくるキーワードでコンテンツを作ってサイトリンク表示オプションとして広告文に設定するという方法をオススメします。
別の例でいうと、婚活アプリのリスティング広告を出している場合、年代や性別ごとにコンテンツを分けてお勧めランキングを作り、「20代」「30代」「40代」または「男性向け」「女性向け」といったコンテンツを作ってサイトリンク表示オプションを設定すると、Google広告の評価が上がって広告の費用対効果が上がる可能性が高まります。
つまり、自然検索の結果(=検索者のニーズそのもの)を元に作成したコンテンツとサイトリンク表示オプションは、検索した人のニーズにより良く対応している、検索者が求める情報を掲載している広告文になります。
その意味でも、広告文作成には自然検索の結果が大いに役に立ちます。
AIも欲しているコンバージョンタグの設定方法
以上見てきた考え方とやり方を元に、キーワードを設定して広告グループに分けて、その広告グループに広告文を設定すれば、基本的には広告をすぐに開始することができます。
AIもコンバージョンタグを必要としている
ですが、どのキーワードでどの広告文がクリックされて、問い合わせや購入があったのかというのをデータで検証して広告の費用対効果を上げていく必要があります。
そのための機能がコンバージョンタグの設定です。
最近は、AIが自動的に、どのようなキーワードや広告文が効果があったかを判断して、キーワードごとにクリック単価をリアルタイムで調整してくれたり、キーワードごとに広告文をのパーツを切り替えて表示自動で表示してくれたりしますが、そのためにもコンバージョンタグの設定は必要です。
コンバージョンタグを設定しないと、リスティング広告の効果は半減どころか、もっと期待できないものになってしまうでしょう。
最も簡単なコンバージョンタグの設定方法
コンバージョンタグの設定方法については、他の様々なブログで詳しく設定方法が開設されていると思いますので、ここでは詳しい解説は省きますが、最も簡単な方法と手順だけ少し解説しておきます。
リスティング広告の代表格であるGoogleのコンバージョンタグを設定する最も簡単なやり方は、Google Analyticsの目標をインポートしてGoogle広告のコンバージョンタグとして使う方法です。
Google Analyticsは、WEBサイトのアクセス解析に使われる無料のアクセス解析サービスです。
WEBサイトで集客を考えている人には必須のアクセス解析ツールなので、これを設定していない人はまずは設定します。こちらも「Google Analytics 始め方」などで検索すると簡単に始められます。
そして、Google Analyticsの目標を設定し、Google広告のコンバージョンタグを追加する際にAnalyticsの目標を選んでインポートするだけです。
このやり方を使えば、Google広告で簡単にコンバージョンタグの設定ができますし、Google AnalyticsでWEBサイトの分析もできますので、はじめてやる方にもオススメです。
除外キーワードの登録についてとそのやり方
そして最後の4つ目の重要ポイントは除外キーワードです。
除外キーワードはリスティング広告ならではの重要な機能です。この除外キーワードは基本的には運用開始後に登録していきます。
Google広告やYahoo!プロモーション広告の管理画面で、検索クエリ(実際に検索されたキーワードの組み合わせ)を見ることができる画面があります。
この検索クエリで見ていくと、思いもよらない、本来広告を出したいキーワードとは全く関係のないキーワードで広告が表示されてしまっていることがたびたび発生します。
その場合、このキーワードでは表示しないようにという除外キーワードの設定をこまめにしていくことで、広告運用の効率をアップさせることができます。
除外キーワードを設定せず放置しておくと無駄を垂れ流してしまうことになります。
除外キーワードの例
例えば、「+脱毛 +名古屋」と言う絞り込み部分一致のキーワードで、女性向けに脱毛サービスを行っているサロンがリスティング広告を出稿していたとします。
しかしこの場合、そのままでは「ヒゲ 脱毛 名古屋」と言うキーワードや、「メンズ 脱毛 名古屋」と言うキーワードでも表示されてしまう可能性が出てきます。
検索クエリを見れる管理画面でこれらの組み合わせキーワードが出ていたら、「ヒゲ」「髭」「メンズ」「男」「男性」といったキーワードを除外キーワードとして設定する必要があります。
このサロンは女性向けにサービスを行っており、男性向けやヒゲ脱毛のサービスを行っていないからです。
特に最近は男性向けの脱毛サービスの人気が上昇しており、このようなことが起こりやすくなっています。時代の変化によって除外すべきキーワードも常に変化していきます。
すべて、いわゆる完全一致のキーワードを登録しておけば、除外キーワードの問題は起こりませんが、完全一致のキーワードだけだと機会損失が生じてしまう可能性があります。
また、明らかに関係のない固有名詞なども、検索クエリを見ているとよく出てくるのでそれらのキーワードも定期的に除外する必要があります。
リスティング広告のやり方まとめ
以上見てきたように、リスティング広告の基本的なやり方、重要な4つのポイントと言うのは以下のとおりです。
- まずニーズに合うキーワードを選んでグループ化し
- 広告グループごとに検索結果を見て広告文を考え
- コンバージョンタグを設定して運用開始し
- 除外キーワードを定期的に登録する
もちろん、運用開始後は新たなキーワードの追加や広告文の追加とABテストなども行っていく必要があります。
広告文のところで書いたように、検索結果に合わせてコンテンツを充実させてサイトリンク表示オプションなどを追加していくのも有効です。
ネット広告の分野では特に、他の分野に先駆けてAIがどんどん発展し実用化されていますが、コンバージョンタグ設定以外の3つの基本的な作業については今でも重要です。
人間の目で1つずつキーワードを選んだり、実際に検索結果を確認して広告文を改善したり、除外キーワードを定期的に見ていくことでリスティング広告運用の改善が進みます。
検索キーワードは人間の実社会につながっていますし、広告文のアイディアと言うのも人間が考え出すからだと考えられます。
リスティング広告においては、今後も進んでいくAIと、人間のアイデアや人間の感覚を伴う地道な作業を上手に組合わあせて使っていくことが必要です。
コメント