はじめに
「法律事務所」のリスティング広告を出しているのに、思うような成果が得られず悩んでいませんか。たとえば、キーワード設定が適切かどうか分からない、広告費がかさんでいる割には見込み客に届いていないなど、不安を抱える方も多いようです。
そこで本記事では、Google広告キーワードプランナーから取得した967件の検索キーワードを分析し、検索意図を4つに分類したうえで、年間の検索需要推移や費用帯別の動向、そして除外候補となりうるキーワードの整理を行いました。短時間で全体像をつかんでいただき、広告運用を見直す際のヒントにしていただければ幸いです。
「法律事務所」とリスティング広告の4つの検索意図

「法律事務所」に関連する検索は、大きく4つの軸とそれぞれ2つの下位カテゴリーに分けられます。全体構造を把握することで、ユーザーが抱えている不安や解決したい問題を俯瞰でき、広告配信で押さえるべきポイントが見えてきます。
まずは相談先が分からず不安です。たとえば「弁護士 相談 費用」は料金面での懸念を示し、「弁護士 電話 相談 24 時間」は夜間対応の可否を求める意図がうかがえます。
次に解決したい具体的なトラブルとしては、「相続 弁護士」は財産分与など専門性が求められる分野、「ストーカー 弁護士」は切迫した状況への緊急対処を示すキーワードといえます。
続いて信頼できる法律事務所探しでは、「ベリー ベスト 法律 事務 所 評判」は評判や実績を重視する心理、「アディーレ 法律 事務 所 苦情」はトラブル事例を事前にチェックしたい気持ちが表れているといえます。
最後は企業法務と弁護士求人です。「企業 法務 弁護士」は法人向けの法務支援を探す検索、「法律 事務 所 事務 求人」は採用情報を得たいユーザーの動向を示します。
「法律事務所」関連検索キーワードの検索需要年間推移

「法律事務所」関連の検索数は、6月にピーク(98,900回)、2月に年間最小(82,100回)を記録しています。上位を占める検索キーワードには、個人の相談需要から企業法務まで、多岐にわたる意図が含まれているとみられます。
この変動要因としては、年度替わりの生活環境の変化や企業の決算期が挙げられます。春から初夏にかけて検索数が増加するのは、新年度に伴う法的ニーズが高まる傾向を映し出していると考えられます。
「法律事務所」の費用帯別キーワード分析
費用帯 | キーワード例 | 月間平均検索数 | 想定クリック単価 |
---|---|---|---|
高額帯 (1,000円以上) | 弁護士 求人 | 1,600 | 1,300円 |
企業 法務 弁護士 | 880 | 1,250円 | |
弁護士 事務 所 | 18,100 | 1,050円 | |
中額帯 (500~999円) | 相続 弁護士 | 4,400 | 700円 |
過払い 金 弁護士 | 320 | 650円 | |
ベリー ベスト 法律 事務 所 評判 | 4,400 | 520円 | |
低額帯 (~499円) | 弁護士 電話 相談 24 時間 | 70 | 300円 |
法律 事務 所 事務 求人 | 2,400 | 280円 | |
アディーレ 法律 事務 所 苦情 | 320 | 250円 |
想定クリック単価に基づき、高額帯(1,000円以上)・中額帯(500~999円)・低額帯(~499円)の3つに区分しました。単価が異なる背景には、検索者の目的や競合状況など多様な要因が考えられます。
高額帯には法人需要の高い「企業 法務 弁護士」(880回)や、就職を目的とした「弁護士 求人」(1,600回)などが含まれます。求人系キーワードは広告費用対効果の観点で注意を要するものといえます。
中額帯(500~999円)では、「相続 弁護士」(4,400回)や「過払い 金 弁護士」(320回)のように、個人の具体的トラブル解決に直結するキーワードが目立ちます。「ベリー ベスト 法律 事務 所 評判」(4,400回、520円)といった評判系もここに入ります。
低額帯(~499円)では、「弁護士 電話 相談 24 時間」(70回、300円)のような緊急相談系や、「法律 事務 所 事務 求人」(2,400回、280円)のように求人系の中でもクリック単価が低いキーワードが含まれます。また、「アディーレ 法律 事務 所 苦情」(320回、250円)のようにトラブル関連を事前に調べる動きも確認できます。
広告配信から除外を検討したい検索キーワード
以下のカテゴリーに属するキーワードは、相談獲得の見込みが低いことが多いため、配信除外を検討する余地があります。
まずは求人関連の検索です。「弁護士 求人」「法律 事務 所 求人」「法律 事務 所 事務 求人」などは、就職のニーズが大きいため、法律相談に直結しにくいと考えられます。
次にネガティブワードを含む検索として、「アディーレ 法律 事務 所 費用 高い」や「アディーレ 法律 事務 所 苦情」が挙げられます。過去の不満や費用への懸念を前提としたキーワードであり、依頼や相談への転換が難しいと推測されます。
基礎知識収集の検索は、「弁護士 法人 と は」「法律 事務 所 と は」といった定義的な学習を目的とするキーワードが多く、集客効果が限定的です。
さらに無料相談関連の検索では、「弁護士 事務 所 無料 相談」「無料 法律 事務 所」が該当します。無料相談を行っていない事務所なら、これらを除外することで不要なクリックを回避できます。一方、無料相談を実施している場合は、むしろ積極的に活用したいキーワードといえます。
その他の特徴ある検索キーワードカテゴリ
地域密着型の検索として、「近く の 弁護士 事務 所」「近く の 法律 事務 所」「近く の 弁護士」などが挙げられます。所在地が近いというだけで相談意欲が高まるケースがあり、アクセス面での優位性をPRしやすいでしょう。
専門領域の検索としては、「過払い 金 弁護士」「相続 弁護士」など、特定分野で深刻な悩みを抱えるユーザーが多いのが特徴で、相談への意欲も高いと推測されます。
新領域の検索としては、「ネット に 強い 弁護士 無料 相談」「スタートアップ 弁護士」などが挙げられ、ITやベンチャー分野での法的支援を求める動向が見受けられます。
まとめ
本記事の分析から、以下の5点が浮かび上がりました:
- 検索意図は4つの軸(相談先への不安、トラブル解決、信頼性確認、企業法務・求人)に大別される
- 年間の検索需要は6月にピーク(98,900回)、2月に最小(82,100回)で変動が大きい
- 費用帯を高額帯・中額帯・低額帯に分けると、検索意図に明確な傾向が見られる
- 除外候補としては求人、ネガティブ、基礎知識、無料相談(非対応)の4つが検討対象になる
- 特徴的な検索カテゴリには、地域密着型・専門領域・新領域というカテゴリが挙げられる
これらの視点を踏まえて運用を見直すことで、リスティング広告の効果向上が期待できます。不要なキーワードを除外し、専門性を活かせる分野や地域に絞った訴求を行うことで、広告費のロスを抑えながら相談獲得をめざしていきましょう。